一昔前だと、「田舎や地方は美容室が少ないから開業チャンス!」と言われていましたが、2020年現在ではそうでもありません。田舎でも美容室がかなり増え始め、逆に「地方なのにこんな同業者がいて本当に儲かるの!?」と開業を渋っている人もいるかと思います。
しかしながら、そんな競合が増えた現在でも儲かっている田舎の美容室は多々存在します。
そこでこの記事では、田舎なのに儲かる美容室の特徴や、儲からない美容室にありがちなことを紹介します。これから田舎で美容室の開業を考えている方、そして現在売上が伸びずに困っている経営者さんの参考になりましたら幸いです。
田舎なのに儲かる美容室 5の特徴
まず最初に断っておきたいのが、この記事では美容師さんのカット技術に関してはみな横一線と扱って書いています。なぜなら、カット技術に関しては最低限のレベルがないと、これから紹介する儲かっている美容室の特徴を模倣してもあまり良い効果が得られないからです。
仮に良いお店だったとしても、自分が思ったようなヘアスタイルにならなかったらその時点で次来店しようとは思いませんよね。カット技術に関しては、自分の力で上げていくしかありません。
それらを踏まえた上で、次からの文章を読んで頂けたら幸いです。
客単価が高い
やはり田舎なのに儲かっている美容室さんは、お客さん一人当たりの単価が高い傾向にあります。売上をアップさせるには絶対にスルーしてはいけない項目です。
なぜなら、儲かるかどうかは客単価とお客さんの数で決まるからです。
売上 = 客単価 × 来店人数
もちろんお客さんを増やすための施策もやらなければなりませんが、それと同時に客単価をいかに上げるかの施策もしなければなりません。客単価が低いと当然売上も下がるので、お客さんの回転数をあげていく必要があります。
ですが、お客さんの回転数を上げるということは、労働力がそれ以上にかかってしまうということ。なので、客単価をなるべく上げて時間的余裕を持ちながら美容室の経営をしていった方が長続きします。
最低限地域の平均以上を目指す
「じゃあ実際どのくらいの客単価を目指せばいいの?」このような疑問が当然生まれるかと思います。
ズバリ言ってしまうと、最低でもその地域の平均以上の客単価を目指してください。下記表は、2018年に厚生労働省が発表した美容業界の地域ブロック別サービス料金の状況です。
私が現在住んでいる宮城は東北なので、カットに限れば3,000円以上の料金を最低限目指すイメージ。ただし、東北と一口に言っても宮城県と秋田県では人口も違いますし、坪単価も全然異なってくるので、ある程度同業者の料金表などを見ながら料金を調整していく必要が出てきます。
宮城県でカット代金が2,704円は安すぎます。最低でも4,000円、以上を目指していきたいところです。とは言え、カットだけで客単価が決まるわけでもないので、他メニューも組み合わせて一人あたりの単価を上げていくのが良いでしょう。
あくまでも最低限超えなければならない客単価なので、都内と同じような強気な料金で経営しても問題ありません。ただし、その分のリターンをお客さんに提供する必要があることだけ押さえておいてください。
無闇にクーポンや限定割引のバラマキをしない
お得なクーポンをとにかく発行して、お客さんに来店してもらえるようにしよう!
このような考えの美容室のオーナーさんは少なくないかと思います。ですが経営目線から言うと、クーポンや限定割引のバラマキはNG。
なぜなら、「クーポンありきの値段でしかお客さんが来なくなるから」です。
少し想像してみてください。今までクーポンを使って3,300円でカットを行っていたお客さんが、いきなりクーポンの配布なしで通常の料金である4,500円でカットを行いたいと思うでしょうか。
もちろんその時点であなたのファンになっているお客さんであれば、まぁしょうがないよね、で済むかと思いますが、そうでないお客さんは他店のクーポンを使ってそっちに流れてしまいます。
それを防ぐためにも、クーポンでの割引は初回だけにしたりする工夫が必要です。初回に来店するお客さんは、その美容室をお試ししたい考えがあるので、そこで通常の料金でもリピーターになってくれるような充実したサービスでおもてなしをしましょう。
リピーターがついている
田舎で儲かっている美容室は、絶対と言っていいほどリピーターがたくさんついています。もちろんクーポン割引でのリピーターではなく、通常料金でも来店してくれるお客さんです。
田舎や地方では、新規のお客さんの集客も頑張らなければなりませんが、それ以上に神経を使って大事にしなければならないのがリピーターで、その理由もきちんとあります。
田舎は人口が都内と比べても圧倒的に少ないので、そもそも新規のお客さんを呼ぶのが結構大変だからです。
単純な理由ですよね。田舎で儲かっている美容室リピーターさんの存在があるからです。このリピーター対策を怠っている田舎・地方の美容室はあっという間に廃業まで追い込まれます。
再来店を促す店つくりに成功している
リピーターさんを獲得するには、お店つくりも大事になってきます。カット技術はもちろんですが、それ以外にも再来店をしたくなるような仕掛け作りができている美容室は儲かっています。
例えば私がコンサルティングをした美容室さんでは、
- 店内に気になるメニューのポップ
- お客さんの髪質などをチェックした上での適切なカットや似合うヘアスタイルの提案
- 店内が明るい
- ショップカードの配布
などなど、次回もこの美容室に行こうと思えるようなお店つくりを頑張っています。
こういった施策を一切やらずに、ただカットする、カラーする、パーマする、だけではリピーターさんは中々ついてくれません。田舎の美容室が成功するかどうかは、全てはリピーターさんに掛かっていますので、お店作りも疎かにせず経営していきましょう。
オーナー・スタッフの人柄や接客が良い
最近はスタイリストから美容室の予約をするケースも増えてきました。そのため、カット技術はもちろんですがオーナーやスタッフの人柄や接客態度もより重要な時代になってきています。
特に田舎は「口コミ」の力、つまり横の繋がりが強いので、そこで悪評をお客さんに与えてしまったら瞬く間に悪い評判が広がっていきます。
そうなると新規のお客さんが来ない、そしてリピーターさんも失ってしまう悪循環に陥ります。
一人で美容室を経営している人は大丈夫かもしれませんが、スタッフを雇って経営している場合は接客指導も行いましょう。接客指導に関するマニュアルなどを事前に作っておくと、スムーズに指導ができると思います。
儲からない美容室がありがちなこと
儲からない美容室では、前章で取り上げた5つの事項がきちんと出来ていない可能性が高いです。
まず単純に、先ほど挙げた儲かる美容室の模倣から始め、客単価が低いのであれば高くしても問題ないようなメニュー作りやサービス内容の充実、接客の見直しなど、出来ることから始めていきましょう。
とは言え、いきなり客単価を上げるために料金を上げるとお客さんも離れていく可能性があるので、その辺りは気をつけながら取り組んでください。
儲からない美容室は、他にも原因があります。何店舗か美容室のコンサルティングを行ってきて気づいた、儲からない美容室にありがちなことをご紹介します。
新規顧客の受付窓口が少ない
美容室さんをコンサルティングしていて感じたのは、まず新規のお客さんが来なければリピーターも何もないにも関わらず、新規顧客の受付窓口が極端に少ないこと。
私がコンサルティングした美容室さんの中には、「ホットペッパービューティーのみ」を受付窓口にしていました。これでは少しもったいないよね、と思ったのでWEB施策を行ったり、ローカル施策を行いました。
その結果新規でのお客さんが増え、リピーターになってくれる人もチラホラ出てきて、カツカツ状態だった経営が一人スタッフを増やせるほどに売上をアップさせることに成功しています。
まずは新規顧客を獲得する窓口を増やしていきましょう。まずは自分の美容室を認知してもらわなければスタートラインにすら立つことができません。
リピート対策を行っていない
最も儲からない美容室にありがちなのは、リピート対策を十分に行っていないことです。
これは美容室に限った話ではありませんが、新規客よりもリピーターの方を遥かに重要視しなければなりません。極端な話、毎月5人の新規客がいたとして、その人たち全てがリピーターになってくれたら翌月以降は5人分の利益が期待できます。
よく「なんでこのお店は潰れないんだろう?」というお店を見かけたことはないでしょうか。チラシも配ってないし、特にSNSやホームページを使って集客もしていない。でもなぜか人はボチボチ入って10年以上続いている。
潰れない理由の一つとして、このお店はリピーターが多いからです。わざわざ新規客を集めなくてもリピーターだけで経営が成り立っているのです。美容室の経営を安定させるにはリピートは必須と言えますので、絶対に怠らないようにしましょう。
その他、田舎でも儲かる美容室を作るために、下記記事で紹介しているような集客方法もお試しください。